エレミヤ書12-14 ; Ⅱテモテ1

エレミヤ書

第12章

12:1主よ、わたしがあなたと論じ争う時、
あなたは常に正しい。
しかしなお、わたしはあなたの前に、
さばきのことを論じてみたい。
悪人の道がさかえ、
不信実な者がみな繁栄するのはなにゆえですか。
12:2あなたが彼らを植えられたので、
彼らは根づき、育って、実を結びます。
彼らは口ではあなたに近づきますが、
心はあなたから遠ざかっています。
12:3主よ、あなたはわたしを知り、わたしを見、
わたしの心があなたに対して
いかにあるかを試みられます。
ほふるために羊を引き出すように、彼らを引き出し、
殺す日にそなえて、彼らを残しておいてください。
12:4いつまで、この地は嘆き、
どの畑の野菜も枯れていてよいでしょうか。
この地に住む者の悪によって、
獣と鳥は滅びうせます。
人々は言いました、
「彼はわれわれの終りを見ることはない」と。
12:5「もしあなたが、徒歩の人と競争して疲れるなら、
どうして騎馬の人と競うことができようか。
もし安全な地で、あなたが倒れるなら、
ヨルダンの密林では、どうするつもりか。
12:6あなたの兄弟たち、あなたの父の家のものさえ、
あなたを欺き、大声をあげて、あなたを追っている。
彼らが親しげにあなたに語ることがあっても、
彼らを信じてはならない」。
12:7「わたしはわが家を離れ、わが嗣業を捨て、
わが魂の愛する者を敵の手に渡した。
12:8わたしの嗣業は、わたしにとって
林の中のししのようになった。
これはわたしに向かってその声をあげる。
それゆえわたしはこれを憎む。
12:9わたしの嗣業は、わたしにとって、
斑点のある猛禽のようではないか。
他の猛禽がこれを囲んでいるではないか。
行って、野の獣をみな集め、
連れてきてこれを食べさせよ。
12:10多くの牧者たちはわたしのぶどう畑を滅ぼし、
わたしの地を踏み荒した。
わたしの麗しい地を荒れた野にした。
12:11彼らはこれを荒れ地としてしまった。
その荒れ地がわたしに向かって嘆くのだ。
全地は荒れ地にされた。
しかし、ひとりもこれを心に留める者はない。
12:12滅ぼす者どもが荒野のすべての、はげ山の上にきた。
主のつるぎが、地の、この果から、かの果までを滅ぼすのだ。
命あるものは安らかであることができない。
12:13彼らは麦をまいて、いばらを刈り取る。
苦労してもなんの利益もない。
彼らはその収穫を恥じるようになる。
主の激しい怒りによってである」。
12:14わたしがわが民イスラエルにつがせた嗣業に手を触れるすべての悪い隣り人について、主はこう言われる、「見よ、わたしは彼らをその地から抜き出し、ユダの家を彼らのうちから抜き出す。12:15わたしは、彼らを抜き出したのちに、また彼らをあわれんで、それぞれその嗣業に導き返し、おのおのを、その地に帰らせる。12:16もし彼らがわたしの民の道を学び、わたしの名によって、『主は生きておられる』と言って誓うことが、かつて彼らがわたしの民に教えてバアルをさして誓わせたようになるならば、彼らはわたしの民のうちに建てられる。12:17しかし耳をかさない民があるときは、わたしはその民を抜き出して滅ぼすと、主は言われる」。

第13章

13:1主はわたしにこう言われた、「行って、亜麻布の帯を買い、腰に結べ。水につけてはならない」。13:2そこで、わたしは主の言葉に従い、帯を買って腰に結んだ。13:3主の言葉は、再びわたしに臨んで言った、13:4「あなたが買って腰に結んでいる帯を手に取り、立ってユフラテの川へ行き、その所の岩の裂け目にこれを隠せ」。13:5わたしは主が命じられたように、行って、これをユフラテの川のほとりに隠した。13:6多くの日を経てのち、主はわたしに言われた、「立って、ユフラテの川へ行き、あなたに命じて、そこに隠させた帯をその所から取ってきなさい」。13:7そこでわたしはユフラテの川へ行き、地を掘って、隠した所から帯を取り出したが、その帯はそこなわれて、役に立たなくなっていた。
13:8その時、主の言葉がわたしに臨んだ、13:9「主はこう仰せられる、これと同じように、わたしはユダの高ぶりとエルサレムの大いなる高ぶりを、破るのである。13:10この悪しき民はわたしの言葉を聞くことを拒み、自分の心を強情にして歩み、また他の神々に従ってこれに仕え、これを拝んでいる。彼らはこの帯のように、なんの役にも立たなくなる」。13:11主は言われる、「帯が人の腰に着くように、イスラエルのすべての家とユダのすべての家とをわたしに着かせ、これをわたしの民とし、名とし、誉とし、栄えとしようとした。しかし彼らは聞き従おうともしなかった」。
13:12「あなたはこの言葉を彼らに語らなければならない、『イスラエルの神はこう言われる、酒つぼには、みな酒が満ちる』と。彼らはあなたに言うであろう、『酒つぼに、みな酒が満ちることをわれわれが知らないことがあろうか』と。13:13その時、あなたは彼らに言わなければならない、『主はこう言われる、見よ、わたしはこの地に住むすべての者と、ダビデの位に座す王たちと、祭司と預言者およびエルサレムに住むすべての者に酔いを満たし、13:14彼らを互に打ち当てて砕く。父と子をもそのようにすると、主は言われる。わたしは彼らをあわれまず、惜しまず、かわいそうとも思わずに滅ぼす』と」。
13:15耳を傾けて聞け、高ぶってはならない、
主がお語りになるからである。
13:16主がまだやみを起されないうちに、
またあなたがたの足が
薄暗がりの山につまずかないうちに、
あなたがたの神、主に栄光を帰せよ。
さもないと、あなたがたが光を望んでいる間に、
主はそれを暗黒に変え、
それを暗やみとされるからである。
13:17もしあなたがたが聞かないならば、
わたしの魂はひそかな所で、
あなたがたの高ぶりのために悲しむ。
また主の群れが、かすめられたために、
わたしの目はいたく泣いて、涙を流すのである。
13:18王と太后とに告げよ、
「あなたがたは低い座にすわりなさい。
麗しい冠はすでに
あなたがたの頭から落ちてしまったからです」。
13:19ネゲブの町々は閉ざされて、これを開く人がない。
ユダはみな捕え移される、
ことごとく捕え移される。
13:20「目をあげて、北の方からくる者を見よ、
あなたに賜わった群れ、
あなたの麗しい群れはどこにいるのか。
13:21彼らがあなたの親しみ慣れた人たちを、
あなたの上に立ててかしらとするとき、
あなたは何を言おうとするのか。
あなたの苦しみは、
子を産む女の苦しみのようでないであろうか。
13:22あなたが心のうちに、
『どうしてこのようなことが
わたしに起ったのか』というならば、
あなたの罪が重いゆえに、
あなたの着物のすそはあげられ、
はずかしめを受けるのだ。
13:23エチオピヤびとは
その皮膚を変えることができようか。
ひょうはその斑点を変えることができようか。
もしそれができるならば、悪に慣れたあなたがたも、
善を行うことができる。
13:24わたしはあなたがたを散らし、
野の風に吹き散らされるもみがらのようにする。
13:25主は言われる、これがあなたに授けられた定め、
わたしが量ってあなたに与える分である。
あなたがわたしを忘れて、
偽りを頼みとしたからだ。
13:26わたしはまたあなたの着物のすそを顔まであげて、
あなたの恥をあらわす。
13:27わたしはあなたの憎むべき行い、
あなたの姦淫と、いななき、
野の丘の上で行ったあなたのみだらな行いを見た。
エルサレムよ、あなたはわざわいだ、
あなたの清められるのはいつのことであろうか」。

第14章

14:1ひでりの事についてエレミヤに臨んだ主の言葉。
14:2「ユダは悲しみ、
その町々の門は傾き、
民は地に座して嘆き、
エルサレムの叫びはあがる。
14:3その君たちは、しもべをつかわして水をくませる。
彼らが井戸の所にきても、水は見つからず、
むなしい器をもって帰り、
恥じ、かつ当惑して、その頭をおおう。
14:4地に雨が降らず、土が、かわいて割れたため、
農夫は恥じて、その頭をおおう。
14:5野にいる雌じかでさえも子を産んで、これを捨てる。
草がないからである。
14:6野ろばは、はげ山の上に立って、
山犬のようにあえぎ、
草のないために、その目はくらむ。
14:7主よ、われわれの罪がわれわれを訴えて
不利な証言をしても、
あなたの名のために、事をなしてください。
われわれの背信の数は多く、
あなたに向かって罪を犯しました。
14:8イスラエルの望みなる主よ、
悩みの時の救主よ、
なぜ、あなたはこの地に住む異邦の人のようにし、
また一夜の宿りのために立ち寄る旅びとのように
なさらねばならないのですか。
14:9なぜ、あなたは、うろたえている人のようにし、
また人を救いえない勇士のように
なさらねばならないのですか。
主よ、あなたはわれわれのうちにいらせられます。
われわれは、み名によって呼ばれている者です。
われわれを見捨てないでください」。
14:10この民について主はこう言われる、
「彼らはこのように好んで、さまよい、
その足をとどめることをしなかったので、
主は彼らを喜ばず、
いまそのとがを覚え、その罪を罰するのだ」。
14:11主はわたしに言われた、「この民のために恵みを祈ってはならない。14:12彼らが断食しても、わたしは彼らの呼ぶのを聞かない。燔祭と素祭をささげても、わたしはそれを受けない。かえって、つるぎと、ききん、および疫病をもって、彼らを滅ぼしてしまう」。
14:13わたしは言った、「ああ、主なる神よ、預言者たちはこの民に向かい、『あなたがたは、つるぎを見ることはない。ききんもこない。わたしはこの所に確かな平安をあなたがたに与える』と言っています」。14:14主はわたしに言われた、「預言者らはわたしの名によって偽りの預言をしている。わたしは彼らをつかわさなかった。また彼らに命じたこともなく、話したこともない。彼らは偽りの黙示と、役に立たない占い、および自分の心でつくりあげた欺きをあなたがたに預言しているのだ。14:15それゆえ、わたしがつかわさないのに、わたしの名によって預言して、『つるぎとききんは、この地にこない』と言っているあの預言者について、主はこう仰せられる、この預言者らは、つるぎとききんに滅ぼされる。14:16また彼らの預言を聞く民は、ききんとつるぎとによって、エルサレムのちまたに投げ捨てられる。だれもこれを葬る者はない。彼らとその妻、およびそのむすこ娘も同様である。わたしが彼らの悪をその上に注ぐからである。
14:17この言葉を彼らに語れ、
『わたしの目は夜も昼も絶えず涙を流す。
わが民の娘であるおとめが大きな傷と
重い打撃によって滅ぼされるからである。
14:18わたしが出て畑に行くと、
つるぎで殺された者がある。
町にはいると、ききんで病んでいる者がある。
預言者も祭司も共にその地にさまよって、
知るところがない』」。
14:19あなたはまったくユダを捨てられたのですか。
あなたの心はシオンをきらわれるのですか。
あなたはわれわれを撃ったのに、どうしていやしてはくださらないのですか。
われわれは平安を望んだが、良い事はこなかった。
いやされる時を望んだが、かえって恐怖が来た。
14:20主よ、われわれは自分の悪と、
先祖のとがとを認めています。
われわれはあなたに罪を犯しました。
14:21み名のために、われわれを捨てないでください。
あなたの栄えあるみ位を
はずかしめないでください。
あなたがわれわれにお立てになった契約を覚えて、
それを破らないでください。
14:22異邦の偽りの神々のうちに、
雨を降らせうる者があるであろうか。
天が自分で夕立ちを降らすことができようか。
われわれの神、主よ、
あなたこそ、これをなさる方ではありませんか。
われわれの待ち望むのはあなたです。
あなたがこれらすべてのことをなさるからです。


Ⅱテモテ

第1章

1:1神の御旨により、キリスト・イエスにあるいのちの約束によって立てられたキリスト・イエスの使徒パウロから、1:2愛する子テモテへ。
父なる神とわたしたちの主キリスト・イエスから、恵みとあわれみと平安とが、あなたにあるように。
1:3わたしは、日夜、祈の中で、絶えずあなたのことを思い出しては、きよい良心をもって先祖以来つかえている神に感謝している。1:4わたしは、あなたの涙をおぼえており、あなたに会って喜びで満たされたいと、切に願っている。1:5また、あなたがいだいている偽りのない信仰を思い起している。この信仰は、まずあなたの祖母ロイスとあなたの母ユニケとに宿ったものであったが、今あなたにも宿っていると、わたしは確信している。1:6こういうわけで、あなたに注意したい。わたしの按手によって内にいただいた神の賜物を、再び燃えたたせなさい。1:7というのは、神がわたしたちに下さったのは、臆する霊ではなく、力と愛と慎みとの霊なのである。1:8だから、あなたは、わたしたちの主のあかしをすることや、わたしが主の囚人であることを、決して恥ずかしく思ってはならない。むしろ、神の力にささえられて、福音のために、わたしと苦しみを共にしてほしい。1:9神はわたしたちを救い、聖なる招きをもって召して下さったのであるが、それは、わたしたちのわざによるのではなく、神ご自身の計画に基き、また、永遠の昔にキリスト・イエスにあってわたしたちに賜わっていた恵み、1:10そして今や、わたしたちの救主キリスト・イエスの出現によって明らかにされた恵みによるのである。キリストは死を滅ぼし、福音によっていのちと不死とを明らかに示されたのである。1:11わたしは、この福音のために立てられて、その宣教者、使徒、教師になった。1:12そのためにまた、わたしはこのような苦しみを受けているが、それを恥としない。なぜなら、わたしは自分の信じてきたかたを知っており、またそのかたは、わたしにゆだねられているものを、かの日に至るまで守って下さることができると、確信しているからである。1:13あなたは、キリスト・イエスに対する信仰と愛とをもって、わたしから聞いた健全な言葉を模範にしなさい。1:14そして、あなたにゆだねられている尊いものを、わたしたちの内に宿っている聖霊によって守りなさい。
1:15あなたの知っているように、アジヤにいる者たちは、皆わたしから離れて行った。その中には、フゲロとヘルモゲネもいる。1:16どうか、主が、オネシポロの家にあわれみをたれて下さるように。彼はたびたび、わたしを慰めてくれ、またわたしの鎖を恥とも思わないで、1:17ローマに着いた時には、熱心にわたしを捜しまわった末、尋ね出してくれたのである。1:18どうか、主がかの日に、あわれみを彼に賜わるように。――彼がエペソで、どれほどわたしに仕えてくれたかは、だれよりもあなたがよく知っている。


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